由布岳に次のような話がある。別府市の由布岳のながめのいいところに。ある日、西行法師がやって来て豊国の由布の高根は富士ににて雲も霞もわかぬなりけり″ と詠じた。すると由布岳が怒り出し、噴火して火柱を上げ、黒煙は天に昇り、 真っ赤な石を四方に飛ばした。驚いた西行は「富士に似たというのが気に くわなかったのだろう」と、改めて駿河なる富士の高根は由布ににて……″と詠みかえたところ、噴火はようやくしずまったそうだ。