福万山から 360度

2005年5月10日



福万山伝説
日出生台にある福万山の北のふもとに数匹の大蛇がいて、しばしば人を襲った。しかし、その草原は農民たちの大切な草刈り場で、大蛇がいるからといって草刈りをしないわけにはいかなかった。草を刈るには、刃渡り50センチ、柄の長さ1.5メートルぐらいの大きな鎌を使う。

ある日、一人の農民が草刈りをしていると、心配していた大蛇が出た。さあ大変。農民は逃げる。大蛇は追う。その大蛇の息を首すじに感じるくらいに追いつめられたとき、農民は思わず何回か鎌をふるった。ところがいずれも手ごたえがあったではないか。

どうやら逃げおおせたが、手ごたもあったことだし、怖いもの見たさも手伝って、そっと引き返してみると、大蛇の姿はなく、大きな石が三つほどころがっているばかり。それが大蛇の胴の形。鎌を夢中でふるったさい、大蛇を切りおとしたのが石になったらしい。以来、残る大蛇も逃げ、みんな安心して草刈りできるようになったそうだ。

同時に、それまで伏魔山と呼んでいたのを福万山と書くようになり、大蛇の石を見物にくる人も多かったという。


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